Jurgen Lehl




Jurgen Lehl
今年急逝したヨーガンレールがつむぎ出す洋服やアクセサリーが大好きだった。


以前の職場で扱っていた主要ブランドだったから思い入れもあるけれど、それ以上に
ヨーガンレールという人の人間性の素晴らしさに打たれていた。
「煩悩即菩提(悩みや迷いや苦悩という煩悩の中に悟りがある)」という言葉があるけれど、
言わずもがな一流の人というのは、人類の普遍的なテーマを心の根っこの部分に据えて
生きているような気がする。

尊敬する社会活動家の方の著書で、「一流に触れなさい」という言葉があったのだけれど、
改めて、一流の人というのはおのずと人格が伴っているということを学ぶのだった。否、それ
こそが一流の証なのだろうと思う。

ヨーガン レールさんが私たちに教えてくれたこと



ヨーガンレールの社員食堂



ここ数年で日本でも一流の人たちが逝いていかれた。
演劇界では、中村勘三郎さん、三國錬太郎さん、高倉健さん。

高倉健さんの印象に残るエピソードのひとつに、映画に出演する際、自分が演じていない時も
椅子などには座らず、汗水を流して働いている製作スタッフの人たちと呼吸を合わせるようにしていたという。
大道具、証明など影で映画製作を支えている人たちのことを、「この人たちが一番偉いんだけど、一
番給料が安いんだよね。そのことを分るのに何十年もかかるよね」と。
世代は違えども、自らの姿勢をもって人としてのあるべき姿を示してくれた、稀有の人だったことは
窺い知れる。御冥福を祈りつつ。