Miraclemoon+Michel Gondry

171年目の「後の十三夜」 Miraclemoon/14.11.05

昔から、明るく朗らかな太陽より、しっとり静寂感のある月の神秘性に魅力を感じていました。ミラクル・ムーンは、太陽暦と太陰暦の暦と季節のズレを調整するため閏9月が入ることで起こる現象なんだそう。前回閏9月が挿入されたのは江戸時代の黒船来航の10年前なんだとか。次は95年後...。遥か未来のミラクル・ムーンは、誰とどんな場所でどんな気持ちで月を見上げるのだろう





ミシェルゴンドリー、好きなアーティストのひとりです。ミュージックビデオを初めて見た時はちょっとした衝撃だった。このPVではいくつかのダンスチームがそれぞれ全く違うスタイルで別のダンスをしているのですが、それらは部分部分で一貫性を保ちながら反復のようなダンスを演じています。そして、その一貫性がアシンメトリーに複雑に表現されているのです。しかし、複雑で緻密でありながらアイデア自体は実にシンプル。伝えるものがシンプルなのでダイレクトに響いてきます。





こちらはゴンドリーの別のミュージックビデオのメイキング映像です。CGを使わず手作業なんですね。途方もない根気のいる作業に驚きます。そして何よりも、泉のように溢れ出るイマジネーションが凄いとまた感心。先のPVとこちらのメイキングを見てすぐ頭に浮かんだのが"IQ"です。明晰な脳の中身を見ているというか、ちょっと大げさな表現ですが小宇宙を見ているよう。宇宙からみれば人間は森羅万象の一つにしかすぎないが、言い方を変えれば宇宙の一部ともいえまいか......そんな想像も膨らみます。それで彼は天才なんじゃないかと。本当の天才は、純粋でキラキラした子供心を失っていないような気がします。無心で遊ぶ感覚で寝るのも忘れてやっているような。だから作品に濁りがないのではないかと思っています...
多分。


・2008年のオムニバス映画 『Tokyo!』での彼の短編作品"インテリア・デザイン"もよかったです

ミシェル・ゴンドリーの世界一周

http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/michelgondry.html
開催中です。是非行きたいな